VPNとは?海外旅行や一時帰国にどう役立つの?
一時帰国や海外旅行でVPNを使うと、ネットが安全で便利になると聞くけれど、そもそもどんな仕組みなのか、どう使えばいいのかがいまいち分からない。
VPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)は、インターネット上に「仮想のトンネル」を作るような技術です。VPNにより、次のようなことが可能になります。
1)トンネルを使って通信することで、セキュリティが向上します。
👉空港やカフェなどの公共Wi-Fiを使う場面でも、安心してインターネットを利用できます。
2)トンネルの出口を別の国に設定し、国境を越えた通信が可能になります。
👉海外にいながら日本のサービスにアクセスしたり、逆に日本から海外のサービスを利用したりできるようになります。
私は海外在住20年以上で、何度も日本への一時帰国を経験してきました。その中で、海外から日本へ移動する際や、日本滞在中に「VPNがあると何が助かるのか」を、実体験として重ねてきました。
この記事では、そうした経験をもとに、VPNとは何かをわかりやすく整理したうえで、一時帰国や海外旅行の場面で、役立つ使い方や考え方を解説します。
この記事を読むことで、VPNの基本を理解し、一時帰国や海外旅行で「どう役立つのか」を具体的にイメージできるようになるはずです。

一時帰国や海外旅行でVPNってどう役立つの?

空港やカフェのWi‑Fiを使ったり、国境を越えてネットサービスを利用する際にVPNが活躍するんです。
一時帰国・海外旅行におすすめVPN
すでにVPNの基本的な仕組みや役割を理解していて、プロバイダー選びの段階に入っている方は、以下の記事でおすすめのVPNプロバイダーの紹介・解説・比較をご覧いただけます。

VPN接続とは?簡単に説明

VPN(Virtual Private Network)は、簡単に言えばインターネット上に“仮想のトンネル”を作る技術です。
このトンネルによって、あなたの通信は暗号化され、外部から中身を見られない状態になります。
多くのVPNサービスは、銀行レベルでも採用される「AES-256ビット暗号化」という非常に強固な暗号方式を使用しており、現在の技術ではこの暗号を解読するのは事実上不可能とされています。さらに、VPNプロバイダーとの間の通信は「トンネル化(トンネリング)」されており、データは仮想的に隔離された空間を通って届けられるため、安全性が格段に高まります。

AES-256とかの暗号技術って、軍や銀行でも使われてるんですよね。知らずに情報が漏れるのは怖いし、使わない理由がないなと最近感じてます。
また、そのトンネルの出口を自分の好きな国に設置することができます。
トンネルの出口を日本に設定すれば、海外にいても「日本からのアクセス」として扱われますし、逆に日本にいながらアメリカのVPNサーバーを出口に選べば、「アメリカからのアクセス」として見えるようになります。
この仕組みによって、現地限定のサービスや動画にアクセスできたり、国や地域によるアクセス制限を回避できる場合があります。

イメージとしては、インターネット上に作ったトンネルの「出口」を、好きな国に設定できる、という感じです。
つまりVPNは、「通信の中身を守る(セキュリティ向上)」と同時に、「どこからアクセスしているかを変えられる(ジオブロック回避)」という、2つの面で役立つ技術なのです。
この後のセクションでは、それぞれの使い方について詳しく説明していきます。
VPNでインターネットセキュリティを向上させる

海外出張中、あるいは一時帰国中に、空港やホテル、カフェなどのフリーWi-Fiに接続することは多いでしょう。
しかしこれらのWi-Fiはセキュリティが甘く、通信内容が盗み見られたり、個人情報が漏えいするリスクがあります。
VPNを使えば、インターネット通信が暗号化された“トンネル”を通って送られるため、第三者による盗聴や改ざんを防ぐことができます。
VPNは、ウイルス対策ソフトやパスワード管理と並ぶ、現代のネット利用者にとっての基本的な防衛手段とも言えます。
地域制限(ジオブロック)の回避

インターネットは世界中どこでもつながっているようでいて、実は国ごとに見られるサイトや使えるサービスが違うという“見えない国境”があります。
「このサービスはお住まいの地域ではご利用いただけません」
「この動画は日本国内からのみ視聴できます」
── 海外在住の方なら、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
こうした制限(ジオブロック)は、アクセス元のIPアドレス(=どの国からアクセスしているか)をもとにかけられています。
しかしVPNを使えば、自分のインターネット上の位置を“別の国”に一時的に切り替えることができます。
たとえるなら、飛行機に乗らなくてもデジタルの世界で国境を越えるようなものです。
この機能を使えば、日本にいながらアメリカのサイトにアクセスしたり、逆に海外にいながら日本の動画サービスを見たりすることも可能になります。

え、VPNって海外のNetflixとかも観られるの?

はい!VPNを通せば、海外にいながら日本の動画配信サービスを楽しむこともできるんです。
eSIMやポケットWi-FiとVPNってどう関係は?

「旅先でeSIMを使っているけど、VPNって必要なの?」「ポケットWi-Fiがあるから、それだけで安心なんじゃない?」
そんなふうに思った方もいるかもしれません。実際、eSIMやポケットWi-Fiは“インターネットに接続するための手段”であり、通信の安全性そのものを保証してくれるわけではありません。
一方、VPNはそのネット接続の“上にかける”セキュリティレイヤーのようなもの。VPNを使うことで、eSIMやWi-Fi経由の通信がすべて暗号化され、安全なトンネルの中を通って目的地へ届くようになります。
つまり、ネットに接続する道がeSIMやポケットWi-Fi、そこにVPNという「透明なトンネル」をかけることで、安心して使える状態にするというイメージです。
公共Wi-Fiや海外ネットワークの利用が不安な方ほど、VPNとの併用が大きな安心材料になります。

eSIMとかポケットWi-Fi使ってるけど、それだけじゃダメ?

それらは“ネットにつなぐ道”ですが、VPNは“安全に通すためのトンネル”のようなもの。併用することで安全性がグッと高まりますよ。
ジオブロックの対象となる主なオンラインサービス

ジオブロッ(地域制限)は、著作権や法律、セキュリティなどの理由から、特定の国や地域からのアクセスを制限する仕組みです。
VPNというと動画視聴のイメージが強いかもしれませんが、実際には動画サイト以外にも、ジオブロックの影響を受けるオンラインサービスは多くあります。一時帰国や海外旅行中に、これらのサービスを利用したい場合、VPNを利用することで、こうした制限を回避できる可能性が高まります。以下は、実際にジオブロックの対象となる代表的なサービスの例です:
金融サービスおよびバンキングサイト
セキュリティ強化や規制遵守のため、銀行やその他の金融サービスは、特定の国からのログインをブロックすることがあります。
政府機関・公共サービス
政府関連のウェブサイトや公共サービスは、対象とする国民や居住者に限定して情報提供や手続きを行うため、海外からのアクセスを制限することがあります。
たとえばアメリカではIRS(内国歳入庁)や裁判所、州政府の公式サイト、日本では国税庁(e-Tax)や法務省、裁判所関連のオンラインサービスなどが該当します。
ソーシャルメディアプラットフォーム
国によっては、政治的な検閲や現地の法律に基づいて、WhatsAppやFacebook、TikTokといった特定のソーシャルメディアプラットフォームへのアクセスが完全に、または部分的にブロックされることがあります。
eコマース(オンラインショッピング)サイト
一部のオンラインストア(Amazonなど)では、ユーザーを現地のウェブサイトバージョンに強制的にリダイレクトさせたり、特定の地域への配送を制限したりすることがあります。これは、国際貿易法や物流コスト、あるいは地域ごとの市場戦略に基づくものです。
ニュース・メディアサイト
一部のニュース配信サイトや出版社のウェブサイトは、特に欧州連合の一般データ保護規則(GDPR)のような特定の法律への準拠を理由に、特定の地域からのアクセスをブロックする場合があります。。
ストリーミングサービス
主に著作権とライセンス契約という複雑なビジネスおよび法的な側面により、Netflix、Disney+、ABEMA、TVerなどのストリーミングサービスは、各国ごとに視聴できる作品が制限されます。
オンラインゲーム & 配信プラットフォーム
ゲームのダウンロード販売プラットフォーム(Steamなど)では、特定の国ではゲーム自体が購入できなかったり、同じゲームでも価格が異なったりすることがよくあります(これは「おま国」問題とも呼ばれます)。また、オンラインマルチプレイヤーゲームでは、サーバーの負荷分散や不正行為防止のために、特定の地域からのアクセスが制限される場合があります。
オンラインギャンブル・ベッティングサイト
オンラインギャンブルは国や地域によって法律で厳しく規制されているため、多くのギャンブルサイトはサービス提供が合法な地域からのみアクセスを許可するよう、ジオブロックを導入しています。
✅ これらの制限を回避する手段として、VPNは非常に有効です。ただし、一部のサービスではVPN利用が利用規約で禁止されている場合もあるため、利用前に確認が必要です。
一時帰国や海外旅行でVPNが役立つ場面・活用法の具体例
ここでは一時帰国を例に解説しますが、海外旅行の場合も考え方は同じで、接続する国の向きが逆になるだけです。
1. 空港やカフェなどの無料Wi-Fiを、安全に使いたいとき

一時帰国中、空港やカフェ、ホテルのロビーなどで提供されている無料Wi-Fiは通信が暗号化されていないことも多く、第三者による“盗み見”や“なりすまし”のリスクがあるのが現実です。
特に、以下のような操作をする場合は注意が必要です:
- メールチェックやSNS投稿
- ネットバンキングのログイン
- パスポートや航空券のデータのやりとり
VPNを使えば、通信が暗号化されるため、同じWi-Fiを使っていても安全性が格段にアップします。
「日本だから安心」という油断が、思わぬリスクにつながることもあるので、1ヶ月だけでもVPNを導入する価値は十分にあると言えます。
2. 日本から海外のネットバンキングやクラウドサービスにアクセスしたいとき

一時帰国中でも、自分が住んでいる国のネットバンキングにログインしたい場面はあります。
たとえば、
- クレジットカードの支払い日がちょうど一時帰国中に来てしまったとき
- 海外の銀行口座で引き落としがあるローン(住宅ローンや車のローンなど)の確認や手続きが必要なとき
- デビットカードの不正利用検知メールが届き、利用履歴を急いでチェックしたいとき
- 海外の家賃や公共料金の引き落とし状況を確認したいとき
など、海外生活では「金融サービスの締め日」や「手続きの期限」は待ってくれません。
一時帰国中であっても、支払い・残高確認・振替などをその場で対応しなければならないことは少なくありません。
ところが、日本からアクセスすると「不審なログイン」とみなされて完全にブロックされたり、追加の認証が求められたりすることがあります。
特に最近では、2段階認証(Two-Factor Authentication)が一般的になり、
- 登録済みの携帯番号にコードが送られてくる
- アプリでの承認が必要
といった手順が増えています。
しかし、日本滞在中に現地の携帯回線が使えない/SMSが届かないと、ここで手詰まりになってしまいます。
VPNを使って元の居住国(例:アメリカ)のサーバー経由でアクセスすれば、不正アクセスと判断されにくく、普段どおりログインできる可能性が高まります。
「ちょっと残高だけ確認したい」「仕事関係のクラウドにアクセスしたい」といった場合にも、VPNは“一時帰国中の橋渡し役”として大変便利です。

実際、私は日本からアメリカの銀行にログインできなかったことがありました。VPNがあれば、いつもの接続元に見えるのでブロックされずに済むんです。
3. 日本にいても、海外のストリーミングサービスを観たいとき

これは人によりますが、たとえば以下のような状況ではVPNが役立ちます:
- 毎週配信されている海外ドラマを一時帰国中もリアルタイムで観たい
- 子どもが海外の教育コンテンツを使っていて、日本ではアクセス制限がかかってしまった
- 家族や友人に、自分が普段観ているストリーミング作品を紹介したい
このようなケースでは、日本にいながらVPNを使って現地(海外)のサーバーを経由することで、普段通り視聴できる可能性があります。
4. 航空券やホテル代をお得に予約したい
VPNの活用は、現地に到着してからだけでなく、実は旅行前の航空券やホテル予約の段階でも効果的です。
航空会社や宿泊予約サイトでは、アクセスする国や地域によって料金が異なることがあるため、VPNでIPアドレスを切り替えて比較することで、より安い価格で予約できる場合があります。
たとえば、同じフライトでも「ブラジルからアクセスした場合が最安だった」といった事例が、YouTubeなどでも紹介されています。
一時帰国や海外旅行では、航空券やホテル代が大きな出費になることも多いため、VPNを活用してお得に予約できる可能性があるのは、知っておいて損はありません。
私の実体験|VPNがあれば何とかなったのか?

上述のような一時帰国中のVPN活用シーンを見て、「今まで感じた不便さを解決できるかも」と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際、私自身もVPNを知らなかった頃には、さまざまな場面で不便や不安を感じることがありました。中には、VPNを使っていれば確実にリスクを避けられたと思えることもあれば、もっとスムーズに対応できたかもしれないと感じる出来事もあります。ここでは、私が一時帰国中に実際に経験した、そんなエピソードを4つご紹介します。
もしかしたら、あなたにも心当たりがあるかもしれません。ぜひ読みながら、自分の一時帰国の体験と重ねてみてください。
1)空港やカフェの無料Wi-Fiは注意
一時帰国中、空港やカフェ、ホテルのロビーなどで提供されている無料Wi-Fiを使う機会はよくあります。私も利用しますが、そこでは、ネットバンキングやパスワード入力をともなう操作は一切しないと決めていました。
一方で、たとえばYouTubeで動画を見たり、天気予報をチェックしたりといった“見られても特に問題のない操作”については、特に気にせず利用していました。
仮にその通信内容が誰かに見られたとしても、実害がない範囲のことであれば問題はありません。
つまり、「盗み見されたら困る」ことは避ける、という“自己防衛”を自然と行っていたということになります。これは多くの一時帰国者が同じような意識で行動しているのではないでしょうか。
VPNを使えば、こうした場面でも通信内容が暗号化されるため、より安心して操作を行うことができます。
2)一時帰国前に手間がかかった

ここ数年、ネットバンキングなどのオンラインサービスでは、二段階認証が当たり前になってきました。
たとえば、自宅からアクセスする分には問題ないのに、職場のパソコンや別のデバイスからアクセスしようとすると、急に認証が必要になったりする。
銀行側はどこからアクセスしているかをちゃんと見ていて、セキュリティの対応を変えているんだな…と、感じることが増えてきました。
そうした背景もあり、日本に一時帰国する前には、「本当に日本からログインできるのか?」という不安を強く抱いていました。
そこで当時の私は、次のような準備をしていました:
- 2段階認証のコード送信先を、携帯電話からEメールに切り替え👉これも金融機関ごとに手続きが異なるため地味に手間
- 帰国後に再度設定を戻す必要もある(面倒)
- 万が一アクセスできなかった場合に備え、クレジットカード・ローン・公共料金・携帯電話料金など、すべての支払いを日本出発前に済ませた
つまり、「できる限り日本からもアクセスできるようにする」と同時に、
「アクセスできなくても困らない状態をつくっておく」ために、かなりの時間と手間をかけて備えたことになります。
同じような対策をしている海外在住者の方は多いのではないでしょうか。
VPNを使い、アクセス元を“日本”ではなく滞在国のままにすれば、ログインできる可能性はぐっと高くなります。
もちろんVPNがすべてを解決するわけではありませんが、「アクセス元の国が原因で起きる不具合」を回避する有効な手段のひとつです。
3) アクセスできないサイトがあった

上述のように、帰国前にいろいろと準備はしましたが、それでも、一時帰国中にどうしてもログインできなかった金融機関が実際にありました。
理由は、ログイン時に必要な2段階認証(Two-Factor Authentication)のコードが、登録しているアメリカの携帯電話番号にしか送れなかったためです。
一時帰国中にそのアメリカの携帯を日本でローミングして使おうとすると、通信料が非常に高額になるため、私は日本ではその回線を使わないようにしていました。
ところが、2段階認証の受け取り方法を「メール」「別デバイス」「認証アプリ」などには切り替えられず、携帯電話番号以外に選択肢がなかったため、その時点でログインを完全に手詰まりとなりました。
私の場合は、単に認証の問題でしたが、金融機関や政府系機関(公共料金の支払いや裁判所)などによっては、海外からのアクセスは完全にブロックされることがあるようです。
VPNがあれば、「日本からのアクセスだからブロックされる」という部分を回避できた可能性があります。
4)「アメリカではこうなんだよ」と家族に見せたかったけど…(地域限定サービスの壁)
これは少しニッチな体験かもしれませんが、私が2025年春に一時帰国した際、アメリカではGoogle検索に「AIモード」が試験導入されていたのに対し、日本ではまだ利用できない状況でした。
そのとき、家族や友人に「アメリカでは今こんなふうに検索結果が表示されるんだよ」と、実際の画面を見せて説明したかったのですが、日本からアクセスすると、当然そのAIモードは一切表示されません。
「VPNがあればアメリカのサーバーを経由して同じ画面を再現できた」のだろうと思います。
NetflixやHuluなどのストリーミングを含め、現地で使っているサービスやコンテンツを一時帰国中にも使いたい/見せたいという場面が少なからずあると思います。
そうした場面では、VPNは“国境”を超える橋渡しとして、思いのほか役立つツールになります。
VPN利用時の注意点と知っておきたいリスク
VPNは非常に便利なツールですが、万能ではありません。安全に利用するためには、いくつかの注意点やリスクを理解しておくことが大切です。ここでは、特に初心者の方に知っておいてほしいポイントをまとめました。
1. VPN禁止国


VPNは全世界で使えるわけではありません。
VPNは多くの国で合法かつ便利なツールですが、国によっては利用が違法、または厳しく制限されている場合があります。
もしあなたの滞在国がそうした“VPN禁止・制限国”に該当するなら、
この記事で紹介する「日本と海外をVPNでつなぐメリット」── たとえばネットバンキングの安全なアクセスや、現地サービスの再現などは、そもそも享受できない可能性が高くなります。
たとえば以下のような国では、VPNの使用が全面的に禁止されていたり、認可された一部のVPN以外は違法とされている場合があります:
- 中国
- ロシア
- イラン
- イラク
- ベラルーシ
- トルクメニスタン
- オマーン
- その他一部の中東・中央アジア諸国
これらの国では、VPNアプリ自体がブロックされていたり、利用が発覚すると罰則が科される可能性もあるため、滞在国の法制度や最新の規制をよく確認したうえで利用を検討する必要があります。
特に注意したいのが「中国」です。
中国は、アメリカやオーストラリアと並んで在留邦人が非常に多い地域の一つであり、駐在者・留学生・長期滞在者も多く暮らしています。その一方で、中国国内では政府に認可されていないVPNの利用が法律で厳しく制限されており、一般の海外在住者にとっても気をつけるべきポイントになります。
ただし、中国当局によって正式に認可されたVPNサービスを利用することは可能です。
そのため、中国にお住まいの方がVPNの利用を検討する場合は、必ず現地の法律に準拠したVPNを選ぶことが大切です。
2. 無料VPNのリスク

最近では「無料でVPN接続できる」というサービスやアプリも多く見かけるため、「VPNは無料で使えるもの」と思っている方も少なくありません。
確かに、無料で使えるVPNサービスは存在します。しかし、多くの無料VPNには、通信内容の記録(ログ取得)、広告表示、通信速度やデータ量の制限など、いくつかの注意点があります。中には、利用者のデータを第三者に提供することで運営されているケースも指摘されています。
一時帰国や海外旅行のように、銀行や行政サービスへのアクセス、公共Wi-Fiの利用など、セキュリティが重要になる場面では、「無料だから」という理由だけでVPNを選ぶのはおすすめできません。VPN接続を安全に利用したい場合は、どのような仕組みで運営されているサービスなのかを確認することが大切です。
3. すべてのサービスでVPNが使えるわけではない
Netflix・Amazon Prime・銀行サイトなど、一部のサービスはVPN接続を検知してアクセスを制限することがあります。VPNはジオブロックを回避する強力な手段ですが、必ずしも100%成功するわけではない点は理解しておきましょう。
4. 通信速度が低下する場合がある
VPNは通信を暗号化し、サーバーを経由するため、通常より速度が遅くなる場合があります。特に遠い国のサーバーを選んだ場合や、混雑時は影響が出やすくなります。
ただし、大手VPNは高速化技術が優れており、体感ではほとんど違いがないケースも増えています。
5. VPNの常時オンが不都合になることもある
VPNを常時オンにすると、
- 一部のアプリやサイトが動作しない
- 位置情報が正しく利用できない
- 公共サービス(日本のNHKプラスなど)にログインできない
といったケースがあります。
必要に応じて オン/オフを切り替える使い方がベストです。
6. iPhoneでVPNが解除できないことがある

iPhoneを使っていると、「VPNをオフにしたつもりなのに、解除できていないように感じる」ケースがあります。これは、VPNアプリ側の設定と、iPhone本体のVPN設定が別々に管理されていることが原因で起こりやすい現象です。
たとえば、VPNアプリを閉じただけでは接続が残っていたり、iPhoneの設定画面ではVPNが有効になったままになっていることがあります。その結果、位置情報が正しく取得できなかったり、一部のサイトやアプリが正常に動作しないと感じることもあります。
このような場合は、VPNが「常にオン」になっていないかを確認し、必要に応じてオン・オフを切り替えることが大切です。特に、一時帰国や海外旅行中は、使う場面に応じてVPNを切り替える意識を持つことで、不便を感じにくくなります。
7. VPNを使うとiPhoneのバッテリー消費は増える?
VPNを使うと「バッテリーの減りが早くなった」と感じる方もいますが、必ずしも大きく消費が増えるわけではありません。
VPNをオンにしている間は、通信が常にVPNサーバーを経由するため、通常よりわずかに処理が増えます。そのため、VPNを長時間つなぎっぱなしにしていると、状況によってはバッテリー消費が増えることがあります。
一方で、最近の主要なVPNアプリは省電力設計が進んでおり、必要な場面だけオンにする使い方であれば、体感できるほどバッテリーが減るケースは多くありません。
「VPN=バッテリーを大きく消費する」というよりも、常時オンにしていることや、通信量の多い使い方が重なることで、消費が早く感じられる場合がある、と考えるのが実情です。
8. “VPNなら何でも安全”ではない

VPNは通信を暗号化するだけであり、
- ウイルス感染
- フィッシング詐欺
- SNSでの情報漏洩
などは防げません。
ウイルス対策ソフトや基本的なセキュリティ意識と併用することで、より安全なインターネット利用ができます。
VPNが必要ないケースもある?
VPNは便利なツールですが、すべての状況で必要というわけではありません。 以下のようなケースでは、必ずしもVPNを導入しなくても問題ない場合もあります。
- 日本国内でのみインターネットを使う
→ 高度なセキュリティが必要な操作をしない限り、一般的な使用(ニュース閲覧や動画視聴など)ではVPNがなくても支障は少ないです。 - 信頼できる自宅回線・環境での利用
→ 家庭用Wi-Fiなど、すでにセキュリティ対策がされている環境下では、VPNの恩恵は限定的です。 - 通信速度を最優先したいとき
→ VPNを通すことで多少通信が遅くなる場合があり、リアルタイム性が求められるゲームやライブ配信などでは不向きな場合もあります。
つまり、VPNは万能ではなく、「必要な人にとって強力なツール」という位置づけが正確です。
自分の使い方や目的を見極めた上で、必要に応じて導入するのが賢明です。
まとめ:VPNとは?海外旅行や一時帰国での活用法

この記事では、「VPNとは何か?」という基本的なところから、海外旅行や一時帰国といった短期の海外滞在で、実際にどんな場面で役立つのかを、できるだけわかりやすく整理してきました。
VPNは「海外の動画を見るためのもの」として語られることが多い一方で、本来は通信を暗号化し、ネット利用時の安全性を高めるための技術です。特に、空港やカフェの無料Wi-Fiを使う場面や、海外の銀行・クラウドサービスにアクセスする必要がある場面では、その価値を実感しやすいでしょう。
一方で、VPNは万能なツールではありません。国や地域によっては利用が制限されていたり、常時オンにすることで不便が生じるケースもあります。また、「使わなくても困らない場面」があるのも事実です。だからこそ大切なのは、「何となく不安だから使う」のではなく、自分の滞在スタイルや利用シーンを理解したうえで、必要かどうかを判断することです。
もしこの記事を通して、「VPNがどんなものか」「自分の一時帰国や海外旅行で使う意味があるか」が少しでも整理できたなら、それが第一歩です。VPNは、必要な人にとっては心強いサポートになります。まずは基礎を理解し、自分にとって本当に必要かどうかを見極めてみてください。
VPNの基礎がひと通りわかったら、あとは実際にどのサービスを使うかを選ぶだけです。
おすすめのVPNプロバイダーを紹介・比較した記事をご用意していますので、気になる方はこちらもぜひチェックしてみてください。

一時帰国中のネット通信について、Wi-Fiレンタル・eSIM・VPNなど全体像を整理したまとめ記事をご用意しています。ご自身の滞在スタイルに合わせた最適な通信手段を知りたい方は、ぜひご覧ください。




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