日本への一時帰国の日程が決まると、多くの人が気になるのが「パスポートの有効期限はどれだけ残っていればいいのか?」「航空券の予約はパスポートがなくてもできるのか?」といった実務的なポイントです。特に海外在住者にとっては、パスポートの更新手続きや航空券の手配の順序に戸惑うことも多いでしょう。海外在住20年の私は、これまで何度も一時帰国を繰り返してきましたが、帰国前には必ず最新の情報を確認するようにしています。本記事では、こうした疑問に応えるべく、パスポートの必要な有効期限、更新の時期や必要書類、航空券との関係性、そして海外でパスポートを更新する際の注意点までを、わかりやすく網羅して解説していきます。基本的には、日本を再出国するまで有効なパスポートがあれば問題ありませんが、航空会社によっては、より長い有効期限を求められる場合もあります。
一時帰国に必要なパスポートの有効期限とは?
日本に一時帰国する際、一般的にはパスポートの有効期限が「帰国時点で有効であること」が求められます。日本人が日本に入国するために最低限必要なのは、日本出国時(再出国)まで有効なパスポートです。ただし、航空会社によっては、チェックイン時に「出発日から数ヶ月以上の残存期間」を求められる場合があります。そのため、出発時点で3ヶ月以上の有効期限が残っているかを確認するのが安心です。

予定通り日本を出れないトラブルに備えて有効期限は余裕を持っておきたいことろ。
航空券はパスポートなしで予約できる?

多くの航空会社では、航空券の予約時にパスポート情報の入力は必須ではないことが多いです。名前や生年月日などで仮予約し、後でパスポート情報を追加できるケースが一般的です。ただし、LCCや一部の国際線では、予約時に正確なパスポート情報が必要な場合もあるため、予約前に航空会社の方針を確認しましょう。
航空券とパスポート更新の順番は?
理想的な流れとしては、
- パスポートの有効期限を確認
- 必要なら更新申請
- 新しいパスポート番号が確定してから航空券を購入 という順番が安全です。
とはいえ、繁忙期などで航空券が取りにくい時期には、先に仮予約しておき、後から情報を更新するという手段もあります。
パスポート更新はいつからできる?
日本のパスポートは、有効期限の1年前から更新可能です。つまり、有効期限が迫っていなくても、帰国予定があるなら早めの更新が可能です。海外在住者の場合は、在外公館(領事館)での手続きになります。予約制のことが多いので、事前に確認しておくと安心です。


私がよく使うニューヨーク日本領事館はいつも予約でいっぱい。すぐには予約できないので余裕を持って手続きしましょう。
なお、2024年3月から、日本のパスポートの発行システムが変更され、全国で一括処理される方式に移行しました。その影響により、以前よりも発行に時間がかかるようになり、申請から受け取りまでにおよそ1か月かかるケースもあります。
ここで注意したいのが、有効期限の起算日です。パスポートを更新した場合、新しいパスポートの有効期限は前のパスポートの有効期限満了日からではなく、発行日から起算されます。たとえば、有効期限があと6か月残っている状態で更新すると、新しいパスポートはその時点から10年間有効となるため、元の有効期限の残り期間は加算されません。更新料や時間の無駄を避けたい場合は、更新のタイミングにも注意が必要です。
とくに一時帰国や航空券の手配が迫っている場合は、余裕を持ったスケジュールで申請することが重要です。
パスポート更新に必要な書類
更新手続きには以下の書類が一般的に必要です。
- 現在のパスポート
- パスポート用写真(縦45mm×横35mm・背景など要注意・申請日より6ヶ月以内に撮影)
- 現地の在留証明や居住証明(国によって異なる)
- 必要な申請用紙(現地領事館のウェブサイトでダウンロード可)
最新のパスポート更新費用(2025年度版)
パスポート種別 | 日本円(JPY) | 米ドル(USD) | 中国元(CNY) | カナダドル(CAD) | ユーロ(EUR) | 韓国ウォン(KRW) |
---|---|---|---|---|---|---|
5年用 | 11,000円 | 約75ドル | 約540元 | 約100カナダドル | 約70ユーロ | 約102,000ウォン |
10年用 | 16,000円 | 約110ドル | 約790元 | 約145カナダドル | 約100ユーロ | 約148,000ウォン |
支払い方法について
パスポート更新費用の支払い方法は、申請する日本大使館または領事館の所在地によって異なりますが、以下のようなケースが多く見られます。
- 現金払いのみ対応(最も一般的)
指定された通貨での現金払いが基本です。たとえば、アメリカでは米ドル、中国では中国元での支払いが求められます。 - 指定小切手(Money Orderなど)での支払い
アメリカやカナダなどでは、現金以外に「Money Order(郵便為替)」や「Certified Check(銀行発行の小切手)」が必要な場合があります。個人小切手やクレジットカードは使えないことがほとんどです。

結局のところ、いつも現金で支払っています。
- デビットカード/クレジットカード:不可のことが多い
多くの在外公館ではカード決済に対応していないため、事前に現地の支払い方法を確認することが重要です。
失効している場合や名前が変わった場合の対応
有効期限が切れてしまっている場合でも、パスポートの再発行は可能です。再発行時にも基本的には更新時と同様の書類が必要ですが、失効期間が長い場合や身分証がない場合は追加書類が求められることがあります。
また、結婚などで氏名が変更された場合も、新しい名前でのパスポート再発行が必要になります。
子どものパスポート申請について

未成年(20歳未満)の子どもがパスポートを申請する場合、有効期間は原則として5年間です。特に初めての申請には、以下の書類が必要になります:
- 出生証明書 または 戸籍謄本(本人と親権者の関係を証明するため)
- 親の同意書(両親または親権者の署名が求められることが多い)
- 子どもの顔写真(規定あり)
写真については、基本的に大人と同じ規定(縦45mm×横35mm、無背景、正面、無表情、6か月以内に撮影されたもの)が適用されます。ただし乳幼児などの場合、多少の例外や配慮が認められることもあります。たとえば、口が少し開いていたり、目線が正面から少しずれていても受理されるケースもあるため、事前に申請先の大使館・領事館のガイドラインを確認することをおすすめします。
また、小さな子どもの写真撮影は難しいことが多いため、パスポート用写真の撮影に慣れた写真スタジオを利用すると安心です。特に海外では、規定に沿わない写真で再提出を求められるケースもあるため、プロに依頼することでスムーズな申請が可能になります。
パスポート番号の変更に注意

パスポートを更新すると、新しい旅券が発行されるため、パスポート番号も変更されます。これはセキュリティ上の理由によるもので、更新前とまったく同じ番号が使われることはありません。
もし既に航空券を予約済みで、その際に旧パスポート番号を登録していた場合は注意が必要です。航空会社によっては、予約時のパスポート情報との不一致がチェックイン時や出入国審査で問題になることがあります。
このような場合は、航空会社に連絡し、新しいパスポート番号を伝えることを忘れないようにしましょう。特にオンラインチェックインを利用する場合、事前に情報を更新しておくことで、当日のトラブルを防ぐことができます。
一時帰国中のパスポート更新と航空券予約のポイント
パスポート更新には余裕のある滞在スケジュールを
一時帰国中を利用してパスポート更新を検討する人もいると思います。しかし現在、日本のパスポート発行には申請から受け取りまで約1ヵ月かかるのが一般的です。そのため、短期間の滞在では更新が間に合わない可能性があるため、最低でも1ヵ月以上の余裕を持った滞在計画が必要です。余裕のないスケジュールでは、渡航計画そのものに影響が出る恐れがあります。
日本でパスポートを更新したら帰りの航空券はどうなる?
パスポートを更新すると番号が変わるため、復路の航空券に影響が出ないか不安に感じる方も多いでしょう。このような場合は、まず航空会社に連絡を取るのが基本的な対応です。
多くの航空会社では、オンライン上でパスポート情報の変更や予約内容の修正が可能ですが、システム上の制限や航空券の条件によっては対応できないこともあります。その場合は、出発当日に空港のチェックインカウンターで直接相談すれば、多くのケースで柔軟に対応してもらえます。
また、キャンセルポリシーや変更手数料についても事前に確認しておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。航空券の種類によっては変更不可のものもあるため、予約前に細かい条件までしっかり確認しておくことが重要です。
復路のスケジュールまで安心して計画を立てるためにも、こうした手続きに対応できる航空券を選ぶ、あるいはパスポートの有効期限が十分に残っているうちに滞在国で更新を済ませておくのが、より確実な選択といえるでしょう。

帰りの空港まで不安を持ち越したくないから、滞在国で更新しておく方が良いですね
外部リンク(参考情報)
- 🔗 外務省 パスポート(旅券)公式ページ
┗ パスポートの種類、申請手続き、有効期限、手数料について網羅的に掲載 - 🔗 外務省 パスポート:子ども(未成年)の申請について
┗ 親の同意書、出生証明書、未成年の本人申請の詳細 - 🔗 外務省 パスポート用写真の規格について
┗ 顔写真のサイズ、背景、注意点(大人・子ども共通) - 🔗 在外公館一覧|外務省
┗ 世界各国にある日本大使館・総領事館の連絡先一覧 - 🔗 パスポートに関するよくある質問(Q&A)
┗ 有効期限切れ、再発行、名前変更、紛失時の対応など
一時帰国に必要なパスポートの有効期限・航空券手配ガイド まとめ
一時帰国に際しては、パスポートの有効期限が日本再出国時まで有効であれば基本的に問題はありませんが、航空会社によっては3か月以上の残存期間を求めるケースもあるため、余裕を持った更新が安心です。航空券の予約はパスポートなしでも可能な場合が多いですが、パスポート更新後に情報を入力するのが安全です。パスポートの更新は有効期限の1年前から可能で、発行まで1か月程度かかることもあるため、早めの準備が重要です。書類や写真、手続き内容は各領事館で異なるため、最新情報を確認し、計画的に対応しましょう。
パスポートを更新すると番号が変わるため、すでに航空券を旧パスポート番号で予約している場合は、航空会社に新しいパスポート番号を伝える必要があります。番号の不一致がチェックイン時のトラブルにつながることがあるため、更新後は航空会社へ速やかに連絡し、情報を修正しておくことをおすすめします。
一時帰国で必要な手続き・法律関連のまとめ記事はこちらです。

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