久しぶりの一時帰国。家族へのお土産や、日本で楽しむための品をスーツケースに詰めていく中で、ふと不安になるのが“これって日本に持ち込んで大丈夫？”ということですよね。特に食品や薬、海外で人気のアイテムなどは要注意。
知らずにスーツケースに入れてしまったことで、空港で足止めされたり、最悪の場合は没収や罰則の対象になることも。
また、日本から出国する際にも「持ち出せないもの」があり、これも見落としがちです。
この記事では、一時帰国者が知っておくべき「日本に持ち込めないもの」「日本から持ち出せないもの」を一覧で紹介します。荷造りの前にぜひ確認してください。
「えっ、そんなものまでダメなの!?」ってこと、ありますよね。知らずに持ち込んでトラブルになったら大変です。
海外から日本に持ち込めないもの一覧
食品・農産物関連
- 生の肉類（牛・豚・鶏など）や肉製品（ジャーキー・ソーセージ等含む）。市販品であっても未開封であっても、検疫上の理由から持ち込みは原則禁止されています。2025年3月に一時帰国した際には、「未開封であっても、いかなる肉製品も持ち込むことはできません」と空港内で繰り返しアナウンスされていました。ビーフジャーキーのような加工品も例外ではありません。
- 生の果物・野菜（地域や品目によって検疫対象が異なり、持ち込みが禁止または制限されている場合があります）。特に、ハワイなどで売られている柑橘類、バナナ、パパイヤ、マンゴーなどは持ち込み不可。パイナップルやココヤシは検査証明書と入国時検査が必要です。
- ナッツ類（マカダミアナッツ・クルミ・落花生など）のうち、殻付きや生のものは検査が必要。ローストされたものは持ち込み可能な場合あり。
- 種子・苗木（一部制限あり）
肉類は加工品未開封なら日本からは一般的に持ち出せるので混乱しないようにしましょう。同じ肉製品でも「持ち出しはOK・持ち込みはNG」というルールに混乱しないよう注意しましょう。
同じ「ビーフジャーキー」でも、出すときはOKでも、入るときはNGって不思議に感じますよね。ルールが逆なんです。
植物やフルーツを持ち込む際の規制
(1) 手荷物（携行品）として、持ち込む場合を前提としています。商業用（貨物）の場合は対象外です。
(2) 出発国から第三国・地域を経由する場合、日本への持ち込みができなくなることがあります。
(3) 土は、全ての国・地域から持込みができません。土の付着した植物も持ち込めません。
(4) 海外の免税店などでおみやげとして販売されているものであっても、輸入禁止品に該当する場合がありますので、ご注意ください。
動植物・関連製品
- 一部の植物（例えば柑橘系）やその土壌付き植物
- 昆虫・爬虫類・哺乳類などの生きた動物（一部は輸入可能だが許可が必要）
- ワシントン条約により持ち込みが禁止されているもの：トラやヒョウなどのネコ科動物、ワニやトカゲなどの爬虫類の皮を使った毛皮や皮革製品、象牙製品、はく製、漢方薬の中でも動物由来の成分を含むもの、生きた動植物など。外国では「問題ない」と言われても、日本の税関で規制対象と判断されれば没収・罰則の対象となります。 特に生きた動物の場合、自費で送り返す必要があったり、正式な輸入許可を得るまで業者に有料で預けるケースもあるため要注意です。
薬物・医療品
- 麻薬、向精神薬（処方箋なしでは持ち込み不可）
- 市販薬でも成分によっては規制対象（例：強力な鎮痛剤）
- 大麻（マリファナ）は、日本では所持・使用ともに法律で厳しく禁止されています。アメリカやカナダなどで合法でも、日本に持ち込むことは絶対にNGです。大麻に含まれるCBD(カンナビジオール)配合の製品も成分や濃度によっては違法となるケースがあるため要注意。CBD配合のオイル、グミ、スキンケア製品なども、日本ではTHCの混入が疑われると違法とされる場合があります。ラベルに「CBD」と記載があるものは持ち込みを避けるのが無難です。
- ハンドクリームや肌用化粧品で、アロエなど一部成分を含む製品は、検疫の対象となる場合があります（※アロエベラは対象外）。
- 漢方薬や韓方薬についても、動物由来成分を含むものはワシントン条約により日本に持ち込めない場合があるため要注意です。
私の暮らすアメリカ東海岸でも、大麻の使用が合法化されたことで、実際に使用する人の姿を日常的に見かけるようになりました。
でも日本では、所持そのものが違法になるので要注意。合法国からの帰国者は特に気をつけてくださいね。
その他
- 偽ブランド品や著作権を侵害する物品
- ポルノ関連グッズ（公序良俗に反するもの）
- 武器（刃物・スタンガン・催涙スプレーなど）
海外から日本に持ち込めるもの一覧
「これは大丈夫かな？」と迷うこともありますが、以下のようなものは基本的に持ち込みが認められています。ただし、持ち込み量や目的（販売目的か個人使用か）によって制限がある場合もあるので注意しましょう。
なお、食品については基本的に未開封の市販品であることが条件となるため、開封済みのものや手作りの食品は避けた方が安全です。
持ち込み可能なものの例
- チーズ・ミルク・クリーム・バターなどの乳製品（※携帯品＝手荷物・預け荷物・別送品として持ち帰る場合に限り、持ち込み可能です。ただしプロセスチーズ以外は検疫対象となることがあり、事前に動物検疫所の情報を確認することをおすすめします）
- 市販のチョコレートやキャンディー、スナック菓子（肉・果実・ナッツを含まないもの）
- 紅茶やコーヒー（粉末・ドリップパックなど）
- ワイン・ウイスキー・ビールなどのアルコール飲料（1本760ml程度のボトルで3本まで＝合計約2.25リットルが免税範囲。それを超えると課税対象）
- たばこ（紙巻たばこ200本または葉巻50本、またはその他のたばこ製品250gまでが免税範囲。免税範囲を超えると申告と課税が必要）
- 医師の処方箋がある医薬品（種類・量に制限あり）
- 化粧品・シャンプー・石けん類（個人使用目的なら基本的に可）。特に化粧品は「1品目あたり24個」までと数量制限があるため注意が必要。
- お土産用の雑貨や衣類（ブランド品は正規購入品であれば可）
外国から日本に持ち込めないもの・持ち込めるもの一覧
| 品目 | 持ち込み可否 | 備考 |
|---|---|---|
| 市販のお菓子・スナック類 | ○ | 肉・果実・ナッツを含まない未開封品 |
| コーヒー・紅茶 | ○ | 粉末・ティーバッグ可 |
| ビーフジャーキー・肉製品 | ✕ | 未開封でも不可（検疫対象） |
| 生の果物・野菜 | ✕ | 原則すべて不可（品目・地域により制限） |
| 植物（苗・種など） | △ | 許可・検査が必要な場合あり |
| ナッツ類（殻付き・生） | △ | 検査が必要、ロースト済みは可の場合あり |
| 土や土が付着した植物 | ✕ | 全ての国・地域から持ち込み不可 |
| 処方箋のある医薬品 | ○（条件付） | 英語表記や説明書があると安心、数量制限あり |
| 市販薬・サプリメント | △ | 成分によっては規制あり（麻薬成分・CBD含有など） |
| 大麻・CBD製品 | ✕ | 成分に関わらず原則禁止（CBDも濃度によりNG） |
| チーズ・乳製品 | ○（条件付） | 手荷物として持ち帰る場合のみ。プロセスチーズ以外は検疫対象 |
| ワイン・ビール・ウイスキー | ○（条件付） | 合計2.25Lまで免税、それ以上は課税対象 |
| 化粧品・日用品 | ○ | 個人使用範囲（1品目24個まで）なら問題なし |
| 刃物・スタンガンなどの武器 | ✕ | 原則すべて禁止 |
| 偽ブランド品・著作権侵害品 | ✕ | 法律違反となる可能性あり |
| ポルノ関連グッズ | ✕ | 公序良俗に反するものは持ち込み禁止 |
| 生きた動物（昆虫・爬虫類など） | △ | 許可・検疫が必要。条件を満たさない場合没収または送り返し |
| ワシントン条約該当製品 | ✕ | 象牙、毛皮、漢方薬など動植物由来製品含む |
関税について
関税とは、外国から日本へ商品を持ち込む際に課される税金のことです。主に国内産業を保護する目的で設けられており、品目や数量によって税率や課税の有無が異なります。空港の税関での申告や審査によって、関税・消費税・物品税（該当する場合）が課されることがあります。
免税範囲と申告
免税の範囲を超える品物を持ち込みたい場合でも、正しく申告すれば課税のうえで持ち込みが認められるケースが多くあります。特に酒類やたばこ、化粧品、ブランド品などが該当しやすいため、事前に税率やルールを把握しておくと安心です。
- たとえば酒類の関税は、アルコールの種類や容量によって異なり、1リットルを超えると課税対象となります。
- たばこも、免税範囲（紙巻たばこ200本など）を超える分には課税対象となります。
- 一般的に課税額は「関税＋消費税＋酒税・たばこ税等の個別税」が加算されます。
- 課税価格の計算は、申告書に記載された金額または税関が定める標準価格に基づいて行われます。
税関での手続きでは「携帯品・別送品申告書」の提出が必要です。申告時には購入時のレシートやインボイス（明細書）を提示できるようにしておきましょう。これにより、課税価格の基準となる「購入金額」が明確になり、スムーズな処理が可能になります。
税関はインボイス（購入明細）に記載された金額を基に課税価格を判断しますが、正確性が疑われる場合は市場価格に基づいて再評価されることもあります。
レシートがない場合や、金額の妥当性に疑問がある場合には、税関が定める標準価格を用いて評価され、実際の購入価格より高くなることもあるため、証明書類の保持がおすすめです。
正直に申告すれば問題ない場合がほとんどで、申告漏れの方が大きなリスクとなりますのでご注意を。
「レシートなんてもう捨てちゃった…」ってこと、ありますよね。でも税関ではレシートが最強の味方です。
Visit Japan Webで税関申告が可能
なお、紙の申告書に代えて「Visit Japan Web」を使って事前に申告を行うことも可能です。Visit Japan Webとは、入国審査・税関申告・検疫手続きをオンラインで一括して行える日本政府の公式ウェブサービスで、海外からの渡航者や帰国者の利便性を高める目的で導入されています。空港での手続きをスムーズに進めるため、オンライン申告の活用もおすすめです。
税率
品目によって関税の税率は異なりますが、おおよその目安は以下のとおりです：
- 酒類：ウイスキー・ワインなどは約15％前後（種類や容量によって異なる）
- 化粧品・香水：関税率は5〜15％程度が一般的
- 衣類・ファッション小物：10〜30％程度（素材によって異なる）
- ブランド品（バッグ・アクセサリーなど）：10〜20％程度が目安
- その他：一般的に課税額は「関税＋消費税（10％）＋個別の物品税（該当する場合）」で構成されます
税関はインボイス（購入明細）に記載された金額を基に課税価格を判断しますが、正確性が疑われる場合は市場価格に基づいて再評価されることもあります。高額品や複数品目を持ち込む場合は、事前に税関サイトで「税率表」や「関税・消費税計算例」をチェックしておくのがおすすめです。的か個人使用か）によって制限がある場合もあるので注意しましょう。
関税の支払い方法
関税や消費税などの支払いは、日本到着時に空港の税関で行います。支払い方法は以下の通りです：
- 現金（日本円）：最も一般的な支払い方法です。
- クレジットカード：主要国際ブランド（Visa、Mastercard、JCBなど）に対応している税関窓口が増えています。
- 電子マネーやデビットカード：一部空港ではSuica、PASMO、PayPayなども対応していますが、導入状況は空港により異なります。
日本から持ち出せないもの一覧
文化財・美術品
- 登録された文化財（重要文化財・美術工芸品など）は無許可での持ち出し禁止
動植物・農産物
- 絶滅危惧種に指定されている動植物やその加工品（ワシントン条約対象）
- 特定の種子や苗木（知的財産保護の観点から）
外貨・現金
- 100万円相当を超える現金の持ち出しには税関への申告が必要
日本から持ち出せるもの（一般的なケース）
もちろん、渡航先の法律や規制によって異なりますが、以下のような品目は多くの国で持ち出し・持ち込みが認められているケースがほとんどです。荷造りの際の参考にしてください。
- 市販のお菓子やスナック類（ただし、肉類・果物・ナッツを含まないもの）
- トラベルサイズの化粧品や洗面用具（液体量に関する航空会社や入国審査の制限に注意）
- 医薬品（市販薬や処方薬は、原則として個人使用目的・少量であれば持ち出し可能。英語表記の説明書や処方箋のコピーがあると安心）
- 衣類・日用品・書籍などの個人使用目的の品
- 家族や友人へのお土産品（例：日本茶、箸や風呂敷などの和雑貨、文房具など）
- 電化製品（スマートフォン、デジカメ、電動シェーバーなどは一般的に持ち出し可能。ただしリチウム電池を使用する製品は、機内持ち込みや預け入れに関する航空会社の規定に注意）
- お酒（ワイン・日本酒・ウイスキーなどは、多くの国で一定量までの持ち込みが可能。例としてアメリカでは21歳以上で1リットルまでが免税範囲、中国では2本（1本750ml程度）までが一般的な上限とされ、カナダでは19歳以上で1.5リットルのワインまたは1.14リットルの蒸留酒が免税対象です。これらを超える場合でも、正しく申告し税金を支払えば持ち込み可能なケースがほとんどです。国ごとの制限や手続きは事前に要確認）
- アルコール飲料やリチウム電池などの制限は、航空会社のポリシーに従う必要があります。出発前に搭乗予定の航空会社公式サイトで確認しましょう。
ただし、どれほど一般的なものであっても、相手国で規制されている品目が含まれている可能性はゼロではありません。現地の大使館や税関情報を事前にチェックすることをおすすめします。
日本から外国へ持ち出せるもの・持ち出せないもの一覧
| 品目 | 持ち出し可否 | 備考 |
| 市販のお菓子・スナック類 | ○ | 肉・果物・ナッツを含まないもの |
| 医薬品（市販・処方薬） | ○（条件付） | 個人使用・少量・英語の説明書があると安心 |
| 書籍・衣類・雑貨 | ○ | 一般的な個人使用品であれば問題なし |
| 電化製品（スマホ・シェーバー等） | ○ | リチウム電池の扱いに注意（機内持ち込み制限） |
| お土産品（日本茶・文房具など） | ○ | 特別な制限なし（数量に注意） |
| お酒（ワイン・日本酒など） | ○（条件付） | 国により免税範囲が異なる。例：米国1L、中国750ml×2、カナダ1.5L |
| 登録文化財・重要美術品 | ✕ | 許可なく持ち出し不可 |
| 絶滅危惧種や関連製品 | ✕ | ワシントン条約により規制あり |
| 高額な現金（100万円超） | ✕（要申告） | 税関への申告が必要 |
| 特定の種子・苗木 | ✕ | 知的財産保護のため制限あり |
アメリカへのお酒の持ち込み(実体験談)
2025年4月、日本酒720mlと焼酎1.8Lをアメリカに持ち込み、「関税の支払い」を実体験してみようと思いました。アメリカでは、アルコールの持ち込みは1人あたり1リットルまでが免税とされています。
今回は明らかに免税範囲を超えていたため、関税の支払いが発生するかと思っていたのですが、実際にはこう言われました。
「厳密には1リットルを超えると関税の支払い義務がありますが、1〜2本程度であれば問題ありませんよ」
結果的に、関税の支払いを求められることはありませんでした。運が良かっただけかもしれませんが、実際に経験してみて、柔軟な対応をしてもらえるケースもあることがわかりました。
一時帰国前に確認したい3つのポイント
- 持ち込むものの内容をチェック：購入前に日本の税関や植物防疫所、動物検疫所の公式サイトで確認を。
- 「空港でよく没収される物リスト」を参考に：過去の事例では、肉製品、果物、お土産の調味料系が多い。
- 機内・受託手荷物のルールも把握：国際線では持ち込みと預け入れでルールが異なるため要注意。
まとめ：海外から日本への持ち込み・持ち出しに注意
一時帰国や海外旅行からの帰国時には、お土産選びや家族へのプレゼントに気を取られがちですが、空港で思わぬトラブルに巻き込まれないよう「持ち込み・持ち出し禁止物」の確認はとても大切です。
「これくらい大丈夫だろう」と思って持ち込んだ品が、まさかのNG…。油断禁物です。
「これは大丈夫そう」と思っていたものが実はNGだったり、国によってルールが異なるケースもあるため、最新情報のチェックは欠かせません。「迷ったら申告・確認」が原則です。税関・植物防疫所・動物検疫所など、関連機関の公式サイトを事前にチェックすることをおすすめします。
持ち込み・持ち出しルールを守ることで、大切なお土産や思い出の品をスムーズに日本へ届けることができます。この記事をブックマークして、帰国前の荷造りや出発準備の際にぜひ役立ててください。安心・スムーズな一時帰国・旅行のための一助になれば幸いです。
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関連リンク
以下の公式情報も合わせて確認しておくと安心です：
- 日本税関（持ち込み・持ち出しに関する基本情報） https://www.customs.go.jp/
- 植物防疫所（果物・植物などの検疫情報） https://www.maff.go.jp/pps/
- 動物検疫所（肉製品・ペットの持ち込みなど） https://www.maff.go.jp/aqs/
- 厚生労働省：医薬品等の輸入に関する情報 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000086915.html
- 外務省「海外安全ホームページ」（渡航先国の規制チェックにも） https://www.anzen.mofa.go.jp/
一時帰国で必要な手続き・法律関連のまとめ記事はこちらです。
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